コラム

市場が成熟するにつれて必要となるマネジメント強化

市場が成熟するにつれて必要となるマネジメント強化

2016年7月7日

 

著者: 河村 拓

小学生時代をアメリカ合衆国カルフォルニア州で過ごす。慶應義塾大学総合政策学部を卒業し、2009年4月に株式会社ビーエスピーに入社。提案から要件定義、設計、実装までを、プロジェクトマネージャーまたはPMOとしてワンストップで担当。複数サービス・部門・企業を横断したプロセス標準化やシステム共通化のプロジェクトを、手戻りなくスケジュール通り遂行する業務改革ノウハウに強みを持つ。

こんにちは、デジタルビジネスの運営コンサルティングを担当している河村です。
今日は、デジタルビジネスの成熟期の特徴について書きます。

前回の記事はこちら⇒『デジタルビジネスの成長にあわせ増大する運用の負荷
事業の成長期を経て、市場自体が成熟化すると、競争が激化します。市場のパイがこれ以上増えない中で各社がシェアを奪い合うため、差別化のための開発や投資コストが増大し始めます(スマホゲームアプリの平均開発コストは、立ち上げ当初の5千万円から、現在では2億円にまで膨らんでいると言われます)。こうなると、いかに高生産性・高収益率を誇っていたデジタルビジネスでも、簡単には利益が出なくなります。
この段階になると、日々の業務を効率化することは引き続き重要ですが、それに加えてマネジメントを強化することが必要となります。
開発面については、リリースの遅れによる機会損失や競争力低下を防ぐために、プロジェクトにおける漏れや取りこぼしを極力なくすことがこれまで以上にシビアに求められます。市場に求められるスピードを確保するため、リソース管理やスケジュール管理などのプロジェクト管理について、担当者に任せっきりにするのではなく、全体で管理・統制を行うことが必要となります。
運用面については、ITサービスマネジメントの取り組みがますます重要となります。事業の成長期では現場の業務効率化につながる改革が中心ですが、成熟期には確実に数字を管理し、ITのパフォーマンスを改善し続け、利益を創出するためのマネジメント改革が求められます。ビジネスの需要や売上に対して適切なITコストを保つためのITサービス財務管理や、外部委託している業務のパフォーマンスとコストの妥当性を評価・改善し続けるためのサプライヤ管理などが必要となります。
これらの具体的な方法論や効果については、また別の機会に書きたいと思います。

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