コラム

デジタルトランスフォーメーションによる構造の変革

デジタルトランスフォーメーションによる構造の変革

2018年9月19日

 

著者: 鈴木 智裕

2007年 株式会社ユニリタ(旧社名:株式会社ビーエスピー)入社。ITIL関連、運用改善コンサルティング、人材育成セミナー講師などを担当。コスト削減、ITのビジネス貢献・価値向上といった上流の課題から、現場レベル課題の改善までお客様の潜在的なニーズを見つけ提案型でオールラウンドに施策の立案、実行の支援が可能。

事業のIT化

コンサルタントの鈴木です。

 

今日は昨今耳にすることも多い「デジタルトランスフォーメーション」についてです。 改めてその定義についてではなく、私がコンサルティングを実施するお客様で変化を感じることを述べていきたいと思います。

代表的な事例としてはトヨタ自動車が「オートモービルカンパニー」から「モビリティカンパニー」へ変革するとCES2018にて発表されています。ユニクロも情報製造小売業への変革を表明しています。

実際「モノ」を売ることをコアの事業としていた企業が「モノ」を作ることで得たデータをサービス提供したり、「モノ」を含むユーザ体験を「サービス」として提供する流れが出てきています。そこでデジタル化です。事業にITを活用するのではなく事業とITが融合して、デジタルサービスとして事業が展開されていきます。

今はまだ事業とITの間に溝がある企業は多くありますが、それでも取り組みが進んで来ており、我々のお客様もIT組織(IT部門やIT子会社)から事業組織へ変わってきています。デジタルビジネスを展開する上で、それを「運営」する必要があり、ここに我々の知見が求められ来ています。

 

 

事業でのIT活用の拡大

次に事業でのIT活用の拡大についてです事業のIT化まで至っていないケースでも、「働き方改革」の潮流などから、多様化する働き方への対応としてリモートワーキングの活用やRPAの活用による効率化などに取り組む企業も増えてきています。働き方改革などへの取り組みが経営に対する要求となっており、これらの活動がトップダウンで推進されることも要因です。そういった中でIT組織は事業側から要求のあったシステムを構築して運用することから、事業のIT活用に対する貢献が求められています。

 

 

業界構造の変化

こういった背景は、事業がよりIT活用に取り組み、IT組織も構築や運用からIT活用支援にシフト、さらにはIT組織を支援するパートナーがより構築や運用のオーナーシップを取っていくという構造の変化につながっています。その中で全社横串にデジタル活用を統括するCDO(Chief Digital Officer)の設置や、IT組織を支援するパートナー企業は今までIT組織のプロパーが個別に管理していたところを、主要パートナーによる一元化(サービスインテグレータ)といったトレンドも見受けられます。

構造の変化に伴い、事業組織、IT組織、パートナー企業と新たな役割への変革を求められています。事業組織は業務の専門性だけでなくIT活用のノウハウも求められ、IT組織はIT活用に向けて事業側へ提案していく必要があるため業務の専門性も求められています。パートナー企業はIT組織のプロパー(社員)が前述する提案活動を行うため、どの業務を巻き取るかを提示して、サービス範囲を拡大していく提案が必要になっています。

 

 

変革の時代に何をすべきか

変革の時代において求められるのは、どういった役割においてもビジネスとITの両方の視点を持つことであると感じます。そしてそれを養う上で、サービスマネジメントの考え方が非常に有用であると感じます。

サービスマネジメントとは「顧客のニーズと合致したサービスを提供するマネジメント活動全般」を示しており、ITサービスマネジメントのフレームワークであるITIL®を学ばれたことがある方は、まさにITIL®の思想がいま求められていると感じるのではないでしょうか。

デジタル化の流れは不可避なメガトレンドです。変革の中で「求められる役割」を正しく把握し、顧客のビジネスを理解し、それをいかにITで実現するか。サービスマネジメントの知見を活かしてお客様が目指す目標へガイドとしてご一緒できればと考えております。

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