コラム

何故デジタルトランスフォーメーションへ取り組むべきなのか

何故デジタルトランスフォーメーションへ取り組むべきなのか

2017年7月30日

 

著者: ⿊澤 亮祐

2005年4⽉ 株式会社ビーエスピーに⼊社。その後、株式会社ビーエスピーソリューションズに移籍し、現在に⾄る。コンサルタントとして、新⼊社員向けのシステム運⽤研修や運⽤の業務改⾰(BPR)セミナー、ISO20000を活⽤した幹部候補⽣の育成など幅広く講師、ファシリテーターを担当。開発、運⽤、ベンダーなど多くのステークホルダーの利害関係を⼀致させ、事業の貢献に向けて業務改⾰⽀援に携わっている。

はじめまして。
サービスマネジメントのコンサルテーションを担当している黒澤と申します。

昨今では、デジタルビジネス、デジタルトランスフォーメーションと「デジタル」というキーワードが世間を騒がしています。大手コンサル企業でも「デジタル」に関するコンテンツを多く用意されており、支援するためのサービスも増えています。

とある記事によると、デジタルトランスフォーメーションについては、「売上拡大」、「販売チャネルの拡大」、「新サービス開発」を目的とし、取り組み始めている企業が増えているそうです。

今回のブログでは、「何故デジタルトランスフォーメーションへ取り組むべきなのか」について今一度考えていきたいと思います。

 


そもそも世の中のサービスの多くは、企業努力により「高品質」、「多機能」、「低価格」になってきていることは間違いありません。しかしながら、「高品質」、「多機能」、「低価格」という要素は、競争に勝つために必要な要素ではあるものの、一方で、企業を苦しめる要素でもあります。

例えば、以下のようなデメリットが考えられます。

 

高品質/多機能/低価格によるデメリット

  • 高品質
    壊れないため、次のサービスへ買い換えるサイクルが長くなる
  • 多機能
    保守に必要なスキルが複数必要となる。1つのサービスに対して、保守人員が増加する可能性がある
  • 低価格
    利益が少なくなる。あるいは、事業を維持するために必要な販売個数目標が高くなる。ビジネスモデルによっては、営業工数が増えてしまい、更に利益を圧迫する可能性がある。

ご想像の通り、上記要素の追及は事業衰退を意味します。負のスパイラルに陥り、事業永続も難しいでしょう。では、このような負のスパイラルから脱却するための事業戦略はどのようなものが考えられるでしょうか。

 

負のスパイラル脱却に向けた事業戦略の例

  • 販売サイクルの向上
    購入のサイクルを速める。
  • 製品周辺のサービス販売(ソリューション化)
    主力製品+『α』を販売し、サービスとして提供する。結果として、1商談あたりの単価を向上させる。
  • 販売チャネルの拡大(パートナー戦略)
    販売代理店を増やすことで、販売網を拡大する。結果として、商談数(案件)が増え、販売数を増加させる。
  • 保守・運用業務の効率化+保守・運用業務のサービス化(サービスの販売)
    保守・運用業務の効率性を上げることで、多機能な製品を少ない人数で運営する。上記に加え、保守・運用業務そのものをサービス化する。
    (例えば、「9:00~17:00」と「24H365D」のサービスは、価格が異なるべきである)etc.

戦略の実現に向けては、単純に要員を増やすという訳にはいきません。如何に現状のリソース(要員、能力など)を活用し、上記のような戦略を実行するかが重要です。

そのためには、一人一人が生産性を向上させる必要があり、今までの仕事だけでなく、より多くの仕事を短期間で行う必要があります。このようなことは、まさにデジタルトランスフォーメーションでしか為しえないことだと私は考えます。

次回からは、「どのようにデジタルトランスフォーメーションを実行していくべきか」について触れていきたいと思います。

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