コラム

~運用サービスの拡大を目指して~ ノウハウを体系化し、暗黙知を形式知にするオーダーメイド研修
2025年8月28日

著者: 藤原 達哉
2003年に株式会社ビーエスピーソリューションズに入社、ITIL®が日本に紹介された当初から関連のサービスに従事。ITサービスにおける「提供者」側と、「顧客・利用者」側の双方の立場で業務を遂行した経験を活かし、お客様のITによるビジネス貢献をITサービスマネジメントの手法を通して支援している。2025年6月より現職。
多くの企業は事業拡大に向けて、ITやデジタルを活用したビジネス展開に向けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。一方、労働人口は減少し、企業はDXの推進にあたって、ノンコア業務のアウトソーシングによる、コアコンピタンスへの集中を図っています。
アウトソーシングとして、運用サービス(システム運用や、BPOなど)を提供する企業の多くは、その企画立案から提案、実装までを、有識者に頼ることもあるのではないでしょうか。
今回、運用サービスを提供している、とあるお客様から、運用サービスの要件ヒアリングから構築、実装までを体系化することで、これまでベテランの有識者が保有する暗黙知を形式知化し、教育トレーニングを行うことで、組織全体のレベルアップを目指したいというご相談を頂きました。
お客様のご要望を、当社の保有するコンテンツと知見を通して具現化し、オーダーメイド研修として実践した事例をお伝えしたいと思います。
オーダーメイド研修事例:
外販のための「運用サービス構築」手法を体系化し、学び、体験する研修を構築、実施
お客様の問題意識と課題
お客様は、「運用サービス」を事業化して外販しており、今後の事業拡大を目指しています。
しかし、これまでの運用サービスは、社内の有識者の経験と実践によって培ったノウハウに基づきサービスの企画・提案・構築から運営までを実施してきました。このままでは新たな受注が有識者のリソースに依存することから、事業の拡大に向けて運用サービスを企画・構築できる人材の育成が不可欠、という課題が浮上。
そこで、運用サービスの構築手法を体系化し、暗黙知を形式知化して教育トレーニングを行い、要員を育成したいということになりました。
課題解決に向けたアプローチ
お客様からのご要望は、有識者の知見(暗黙知)の体系化して可視化することと、フレームワークの活用スキルの向上。
当社がご提案したのは、「オーダーメイド型研修」。
当社は公開コースとしてシステム運用の概論や運用設計コースなどの運用サービス系のコンテンツを有し、コンサルティングファームとしての運用サービス構築経験もあります。お客様のご要望をお伺いし、オリジナルコンテンツを作成するだけでなく、当社の保有する知見やコンテンツを最大限活用し、内容をブラッシュアップし、合わせて構築期間を短縮することができました。
さらに、体験型学習として、当社の公開コースを活用しました。実績ある当社公開コースを活用することによって、習得した知識を実践することにより、学習効果を高めることができました。当社コースは体験型のワークショップを組み込んでおり、座学のみならず、受講者同士が、提案書を作成して相互発表を行うワークショップを組み合わせることで、“学びの実践”を強化しました。
また、お客様のアイディアから、受講者だけでなく実績ある有識者も同席し、知識習得を補完するアプローチもとることで、参加者同士のコミュニケーションをとることができました。研修当日はお客様の有識者にもご参加いただき、受講者とともに暗黙知を形式知化し、共通認識の醸成を図りました。
アプローチの特長
成果導出に向けて、お客様と議論を徹底
お客様との有権者と議論し、構築プロセスを体系化し、当社の知見も加えたオリジナルコンテンツと弊社コンテンツを融合して作成しています。
公開講座の活用によるスピーディな構築
弊社でご用意している「要件ヒアリング」「業務プロセス改革(BPR)」などの公開講座を再構成し、オリジナルコンテンツと融合することで短期間で構築しています。
社内有識者の参画による「気づき」の醸成
受講者だけでなく、有識者の皆様も、改めて自分のノウハウを体系的に見直す機会になったとのこと。
また、研修実施後に受講者にケースに基づく課題を提示し、チームによる活動を実施。本研修の集大成としてマネジメント層に向けた発表会を実施し、成果を共有しています。
プログラム構成
今回の研修では、オリジナルコンテンツによる「知識習得」と公開コースをアレンジした「実践」を組み合わせたプログラムを策定しました。
事前準備から有識者向けのプログラム説明会を行い、受講者には運用サービスのビジネス目的や体系化された構築手法、サービス品質設計などの知識習得を行い、お客様への要件ヒアリング、業務プロセス改革といった要素をワークショップによる体験学習を実施いただきました。
<研修プログラム構成図>
当研修の成果
受講者の皆さまからは、「自社の運用サービスを体系的に理解でき、社内で共通の言語が持てるようになった」「すぐに実務で使える内容ばかりで非常に有益だった」という声を多数いただきました。
また研修終了後、継続的にアップデートした研修を行うことも決定し、組織全体としてスキル底上げが期待されています。
お客様の課題解決を実現する、オーダーメイド研修
自社の事業拡大に向けて、社内の知見(暗黙知)を体系化して可視化し、形式知化する。
このアプローチはどの企業においても課題ではないでしょうか。
今回、このお客様からご依頼された内容は、当社にとってもとても興味深い内容で、当社の「運用サービス」「サービスマネジメント」などの専門性を、お客様と共に深める良い機会となりました。
当社は、これまで培ってきた、「システム運用」「サービスマネジメント」や「ビジネスプロセス改革」の知見を有しています。これからも、お客様のご要望に寄り添った研修プログラムをご提供いたします。
お問い合わせ先
お客様に置かれましても、運用サービスやサービスマネジメントにかかる教育・トレーニングでお悩みのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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