コラム

デジタル・ビジネス戦略とIT戦略を融合させる重要性

デジタル・ビジネス戦略とIT戦略を融合させる重要性

2016年11月25日

 

著者: 河村 拓

小学生時代をアメリカ合衆国カルフォルニア州で過ごす。慶應義塾大学総合政策学部を卒業し、2009年4月に株式会社ビーエスピーに入社。提案から要件定義、設計、実装までを、プロジェクトマネージャーまたはPMOとしてワンストップで担当。複数サービス・部門・企業を横断したプロセス標準化やシステム共通化のプロジェクトを、手戻りなくスケジュール通り遂行する業務改革ノウハウに強みを持つ。

こんにちは、デジタルビジネスのシステム運営に関するコンサルティングを担当している河村です。

早速ですが、デジタル・ビジネスを全社的な取り組みとして実施している企業が、ここ1年間で急増しています。一方で、これらの取り組みが中期計画やIT戦略とは別枠で考えられている状況が、先日公開されたガートナー社の調査結果により浮き彫りになっています。

出典:「ガートナー、日本企業のデジタル・ビジネスへの取り組みに関する調査結果を発表

特に驚きであったのが、デジタル・ビジネスとIT戦略を連携させている企業は3割未満という調査結果です。

弊社のお客様でも、事業部が先行してスモールスタートでデジタル・ビジネスを立ち上げている状況を何度も目にしています。市場創造の原理に従えば、先行優位性を確保するために、いち早く手を付けたいという状況は理解できます(過去ブログ参照:「事業部主導で進むデジタルビジネスの立ち上げ」)。

ただ、デジタル・ビジネス戦略とIT戦略が連携されないまま運営されていくと、非効率かつ高コストなシステム運営になるリスクだけでなく、情報漏えいやトラブルによる損害など経営にダメージを与えかねない状況に陥る可能性もあります。これは、事業部はITに関するガバナンスの知識を持ち合わせおらず、IT統制が疎かになってしまう為に発生します。また、デジタル・ビジネスが軌道に乗れば良いのですが、事業部が各々のデジタル・ビジネスのポートフォリオを持ち合わせずに事業開発・拡大を始めてしまうと、投資ばかりが膨らみ、辞め時の判断が出来ない状況にもなりえます。

デジタル・ビジネスを戦略的に立上げ、運営していくためには、事業戦略とIT戦略を連携・整合させる、ITサービスマネジメントを機能させることが有効です。今後は、デジタル・ビジネスとIT戦略をどのように融合させていくかをテーマに、サービスストラテジの領域も取り上げて記事を書きたいと思います。

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