一昨年の5月、“itSMF”という非営利団体(NPO)が日本でも設立されました。既にご存知の方は多いかと思いますが、“ItSMF Japan”は英国政府のOGCが作成した情報システムの運用管理基準となっているITIL(IT Infrastructure Library)の普及促進を目的としてアジアで最初に設立し活動を開始しました。
ITILは、ITサービスマネジメントのベストプラクティスとして位置づけられ、いくつかのフレームワークから構成されています。情報システム部門(俗にいう運用部門)では、ITILを構成するフレームワーク中の一部であるサービスサポートとサービスデリバリで定義されている管理項目を、遠からず近からず、何らかの方法を用いて管理が行われており、今もその手法は各企業の運用部門の中で深く根付いているものと考えます。
私の記憶では、10数年以上も前から情報処理試験の中に「システム運用管理エンジニア」(現在のテクニカルエンジニア試験「システム管理」)というカテゴリがあります。この試験の対象者は、“情報システム基盤を企画・構築・運用する業務に従事する者”とあり、ここでの運用管理項目の中にも、サービスサポートとサービスデリバリで定義されている管理項目と同じもの、またはそれに近いものが数多くあります。ここ数年の間に、“サービスレベル”(またはサービスレベルアグリメント)という言葉が多用されるようになってきましたが、実は10数年以上も前の頃から“サービスレベル”という言葉は、システム運用の世界では既に使われてきていました。
では何故、ここにきて“サービスレベル”が脚光を浴びるようになったのでしょうか。
最近の新聞・雑誌などでは、「ビジネスを支えるIT」、「ビジネスにITは不可欠」などと書かれた記事を見受ける機会が増えました。確かに、IT(情報技術)はビジネスを支える上で重要かつ必要なものだと考えます。では、最新で優れたIT(情報技術)を導入してさえいれば、本当にビジネスは成功し成長するものなのでしょうか。ビジネスを成功に導くためには、IT(情報技術)の導入だけでは物足りなさを私は感じています。そこには必ず、サービスに対する運用というものが必要不可欠であると考えています。
昨年10月には、JEITAにより「民間向けITシステムのSLAガイドライン」が発表されました。このガイドラインの中でもITの役割・位置づけを、単なる効率化の道具ではなくビジネス遂行に必要不可欠な「サービス」、または「商品」としています。
大晦日から元日にかけ、「おめでとうコール、おめでとうメール」が急増するとのことから、携帯各社は携帯電話利用の一部制限をニュースで報じていました。利用者側の立場から考えると、企業側の一方的な見解だと思って腑に落ちません。これは一時的にせよ、サービスレベルを落としていることになりはしないでしょうか。年末年始だから制限しても良いというものではなく、緊急でどうしても携帯電話を利用しなければならない状況の利用者も多くいるものと思います。
過去の情報システム部門での運用とは、ハードウェアやそのハードウェア上で動作するソフトウェアなど、システムの情報を管理することが主たる目的であり、またエンドユーザとは社内利用者として捉えられ、ITの提供がなされてきました。しかし、企業が提供する「サービス」や「商品」を利用・購入するのは一般消費者であり、その観点からすれば企業の中で使われているIT(情報技術)は目に見えないものだと思います。消費者に対して、必要なときに品質の良いサービスを適切に提供できていれば、利用者はそのサービスに対して満足を得ていただけるのではないでしょうか。企業にとっての運用とは、消費者に対して「良いサービス」を提供し続ける上でなくてはならないものであり、IT(情報技術)だけでは成し得ないものと考えています。運用こそ「サービス」を提供する上で、そのサービスに関わる全てのリソースとプロセスについての情報管理が、PDCAサイクルによって継続されなければならないマネジメントシステムだと思います。
ビーエスピーソリューションズでは、お客様の運用に沿ったITIL実装のご支援をさせていただきます。今後も、お客様のお役に立てるよう努力してまいりますのでよろしくお願い致します。
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